手づくりの魅力

「稲庭うどん」の最大の特徴は、手作業による職人技と、手間をかけたうどんづくりにあります。この稲庭地区は奥羽山脈に囲まれた豪雪地帯であり、雪がある生活は半年にも及びます。その厳しい冬を乗り切るために小麦の栽培が始められ、手間をかけ、工夫を加えながら、冬の保存食となるものを考えたようです。それが「稲庭うどん」につながったと言われています。「稲庭うどん」は、その日の温度、湿度により水分・塩分の配分を微調整して練り上げ、3~4日と時間をかけ、手を加えて寝かせ熟成することで独自のコシの強い食感を引き出します。そして、五感を刺激するおいしさが生まれます。

秋田美人の透き通るような肌をした麺

箸をもちあげ、光にかざすと美しい透明感をおびた麺がまるで、秋田美人の肌のような白さを浮き立たせます。食べる前に目で楽しめる稲庭うどんは、まさに技の伝承による1つの作品と言えます。

つるつる、しこしこ

食べた瞬間、舌に感じるなめらかさ。平たい麺は見た目よりもしっかりとしたコシ。そしてなんといっても、その魅力は「のどごし」。「つるつる、しこしこ」この食感は、確立された製法から生まれる極上の味わいです。

稲庭うどんの製法規定

原料 小麦粉・食塩・澱粉(打ち粉)
加水量 小麦粉に対して食塩水 55%以上
作業 1日目・・・生地を一晩熟成する
2日目・・・ 小巻した生地を手縛いにより加工し、1時間ほどの熟成後つぶし、さらに1時間ほどの熟成後、手作業による延ばしを行う。
3〜4日目・・・本乾燥を行う。

稲庭うどんが
できるまで

1

練り

小麦粉に対して食塩水を55%以上加えて合わせ生地をつくり、熟成させます。

2

切り

熟成した生地を平らに延ばし包丁で一定の幅に切ります。

3

小巻き

切った生地を転がしながら丸い紐状にして、桶の中に円を描きながら巻いていきます。

4

手綯い

小巻きした生地を2本の棒に8の字にかけて細かくしていきます。

5

伸ばし・つぶし

つぶし棒で手綯いした生地を平らにします。この作業により稲庭うどん特有の麺線ができます。

6

延ばし・乾燥

干し台につぶした生地をかけて延ばし、乾燥をさせます。はじめの工程から3~4日かけて稲庭うどんができあがります。

稲庭うどんを家庭でおいしく食べる